[経営学科]学生ライターによる授業レポート_経営基礎ゼミナールⅠ(その1_企業分析ワーク)
商学部経営学科の1年生を対象とする経営基礎ゼミナールⅠが開講しました。その様子を学生ライター視点でお届けします。
経営基礎ゼミⅠは通常講義と異なり、教員・受講者同士による議論やワークを中心に進める講義です。学生自身が主体的に授業の課題に取り組む姿勢が求められます。
以前は少人数の学生に対して教員1人で行われていましたが、2021年度からは約110人の1年生に対して4人の教員がティーム・ティーチングをする方法に変更になりました。2022年度は経営学科の1年生が2教室に分かれ同じ課題に取り組んでいます。この変更によって、より多くの学生とコミュニケーションをとったり、他グループと切磋琢磨したりする光景が見られるようになりました。
現在、1年生はこれから大学で学ぶ上で必要となる「問いを立てる」ことや、信頼できる論拠(一次資料や二次資料など)に基づき主張を展開すること、論理的な構成の文書を書くことに関する訓練に取り組んでいます。
では「問いを立てる」とはどういうことでしょうか。なぜ大学では「問いを立てる」ことが必要となるのでしょう。
高校までの学びは出題された問題に対して正しい答えを出すものだったと思います。しかし大学での学び、とくに卒業論文を作成する際に行う「研究」は違います。自分で問題を見つけて、それに対する答えを探したり作り出したりしなければいけません。この問題を見つけるという部分が「問いを立てる」ということです。
どんな問いが良い問いなのか、何に着目すればいいのか、さらにどうやって問いに対する答えを出せばいいのか、実際に問いを立てようとすると分からないことだらけだと思います。経営基礎ゼミⅠではそれらをグループで助け合ったり教員に相談したりしながら実践を通じて学べるのです。高校から大学への橋渡しをしてくれる講義です。
実際の講義の様子を見てみましょう。
4月27日(水)から4回は企業分析を行いました。
教員から提示された課題は「指定企業の経営分析をしてください、ただしその企業が発表している財務諸表のデータを用いて論じること」でした。「論じる」とは問いを立てて自分なりの答えと答えの裏付けを示すことですから、まさに「問いを立てる」ことの訓練になる課題です。
まず行ったのは自分たちが分析する企業の情報収集です。事業内容や顧客に着目して調べます。初めて財務情報や有価証券報告書を見て、どの部分を読めばいいのか戸惑いながらも各企業の理解を深めました。
次にグループで話し合って10個の疑問点を出しました。この段階では気軽に不思議だと思った点を挙げていきます。出てきた疑問点の中から軸となる問いを選びます。取材した教室では「コロナの影響により2020年度に大幅に減少した利益が2021年に回復したのはなぜか。」「安定性や事業の将来性の観点から、自分はこの企業に就職したいと思うか。」などのオリジナルな問いが生まれていました。
最後に企業情報や立てた問い、問いに対する答えをPowerPointのスライドにまとめていきます。「研究」では、自分達の考えを誤解なく伝えることも重要です。また、研究は引用などのルールを守らなければいけません。したがって、経営基礎ゼミⅠでは「研究」の中身だけでなく表現やルールなどアカデミックスキルも同時に訓練をします。
前半は初めて取り組む課題に戸惑っていた1年生も、後半は堂々と意見を出し合っていました。大学での学びの流れや方法が掴めたのではないでしょうか。
完成したスライドは最終回に発表します。スライドの講評を経て、また他グループのスライドを実際に見てどのようにブラッシュアップされるのでしょうか。最終回の授業レポートをお楽しみに!
取材・執筆 Student Assistant 商学部経営学科3年 星七海