MaCOP 福岡大学商学部

商学部なのに、なぜゲーム?

MaCOPってなんなの?
先生方に聞いてみよう

なぜ、商学部にゲームを主題にしたプログラムを作ったのですか?

ゲームビジネスというのは、知的財産を作り出すエンターテイメント産業の一つです。人が生きていくために必要な娯楽を生み出す仕事ですので非常に重要です。だからこそ、難しさがあります。地域によって、もっといえば人によって趣向が違います。そのような知的財産たる製品をどのように作っていくかというのは経営学では重要なテーマの一つだからです。このような趣味趣向が中心となる知的財産を生み出す産業をクリエイティブ産業と呼んで、その中でのマネジメントを研究・教育する場を作りたいということで本プログラムを作りました。

クリエイティブ産業の中でもゲームに注目しているのはなぜですか?

デジタルゲームを作る過程にはすごく多くの要素が含まれています。どんなゲームにするか、ストーリー、絵作り、プレイヤーの体験の設計、プログラミング、開発スケジュールの管理、予算の管理、広告宣伝など、様々な側面を考えなくてはなりません。ゲームの制作過程を見ると、ゲーム以外の多くのコンテンツ制作にも活かせる知識を得られると考えています。ですので、まずはゲームを扱ってみようと考えたのです。

美術からプログラムまで、そんなに幅広く学ぶんですか?どんな人材を育成しようとしているのでしょうか?

ゲーム作りは大規模な集団での知的財産の創造活動です。ですので、シナリオライター、デザイナー、プログラマーといった専門家が集まって作ります。このような開発に関わる人の創造性をどう活かすかが非常に重要です。それには、ある程度、それぞれがどのように仕事をしているかを知らないといけません。なのである程度はそれぞれの分野に触れる機会を作っています。しかし、プログラム教育の中心は、企画する人、企画の実現に向けてマネジメントする人の育成です。商学部で学べる学問の強みは、企画、マネジメントにあると考えています。

MaCOPでは、そのような幅広い分野をどのように学んでいくのですか?

MaCOPではプログラム生だけが受講できる科目と商学部の科目を並行して学んでいきます。経営に関する知識は商学部の科目で学びます。その知識をクリエイティブ産業の経営に活かすための方法や、ゲームなどのコンテンツの作り方に関する知識をMaCOPの科目で学んでいきます。例えば、MaCOPの専門科目では、少人数のゼミで市販のゲームの分析、シナリオライティングの体験、アナログゲームを制作・販売などを通して、実際のクリエイティブとマネジメントの実践的な学びを得ます。また、自由に使える実習室で自主的にデジタルゲームの制作を行っている受講生もいます。

経営に関する知識をクリエイティブ産業に活かすというお話ですが、どんなテーマがあるんでしょうか。

ゲーム会社は不確実性が高い環境のなかで、複数の他者(従業員や取引相手、協力企業など)と協力しながらゲーム制作を行っています。このことを経営学では「協働」と言います。協働を通じ企業目的を効率的に達成するためには、人工的で意識的な取り組みとしての「経営管理」が必要となります。MaCOPでは、企業理念、分業、官僚制(官僚制組織)などをキーワードにゲーム企業での協働とその成立を学んでほしいと思います。

そうですね、どんなゲームをどの市場に投入するかというマーケティングであったり、どういうタイミングで製品を開発し市場に投入するかという戦略的な話もありますし、予算など管理会計的な知識も必要ですし、本当に幅広く経営学の諸分野学んでいく必要があります。経営学の実践的な学習にもなりますし、ゲームに限らずクリエイティブ産業に興味のある方は、ぜひチャレンジしてください。