【2024海外研修体験記~アメリカ・オレゴン大学】vol.8 井上利愛良さん(商学部貿易学科3年次生)
8月9日から25日までの海外研修は、間違いなく私の人生の中で一番充実した2週間でした。
オレゴン大学はアメリカ合衆国オレゴン州のユージーンに位置している州立大学です。初めての海外だったこともあり期待に胸を膨らませシアトルのタコマ空港へ降り立ちました。
そこから国内線で一時間ほど移動した場所にユージーン空港はあります。空港からオレゴン大学まで大きなスーツケースと共に車で向かいました。左ハンドル右側通行の違和感は私に海外に来ているという実感を持たせてくれました。
キャンパス内に入ると想像していたよりも何倍も大きな建物が広大な土地に広がっていました。道幅もそれに連なる木々も目に入るものすべてが大きく、私が今まで生活していた場所がちっぽけに感じます。
私のオレゴンのお気に入りポイントは気候でした。8月でしたが朝の気温は15度前後で昼にかけて25~6度まで上がります。また、夕暮れから夜にかけて12度付近までぐっと気温が下がり、一日の中で寒暖差が激しく体調を崩しやすそうに思えるかもしれませんが、湿度が低くからっとした気候なのでとても過ごしやすかったです。乾燥しているので来年参加する方は目薬とリップクリームを準備されると良いかもしれません。加えて、20時前まで日が沈み切らず、すぐに夕暮れが通り過ぎさっと暗くなります。昼と夜どちらも日本に比べて長く感じるので、一日の経過スピードがとてもゆっくりです。時の流れの違いを身に染みて感じました。その中でも私は特に夜が好きでした。虫の声と肌触りのいい心地よい風、息を大きく吸った時の鼻から通る澄み切った空気。高い建物が少なく空が広いため、遠くの方で沈みかけている太陽が空を紫色に染めたところも見渡せることが出来ます。青白く光っている月と星散はノスタルジックな気分にさせます。日本に持って帰りたいお土産は間違いなくオレゴンの気候でした。ぜひ夜は散歩に出てみてください。
授業終わりにはメンバーのみんなでダウンタウンへ行きました。絶え間なくバスが行きかう町で、私たちも滞在中はほとんどがバス移動です。乗っている現地の人々を観察してみると様々な発見があります。本を読んでいる人、じっと外を眺めている人、ヨーヨーで遊んでいる人。スマートフォンと対峙している人はほとんどいなかったです。よく見る日本の風景との違いを大きく感じました。下車する際は運転手の方に大きな声でThank you!と声をかけるのがマナーだったので遵守していましたが、いつの間にか当たり前になり、帰ってきた今でもつい言ってしまいそうになります。
また、研修期間中に現地では様々な人と出会いました。キャンパス内でスピーカーから爆音でHIPHOPを流しながらベビーカーを押しているお父さんや、貴重品・所有物すべて盗まれても明るく陽気に過ごしている消防士の男性、私たちが日本人と分かると日本旅行の思い出や写真を共有してくれる人、ボランティア施設を支援している慈悲深い人々。そんな温かい心に触れることができる素敵な場所でした。
リサーチしたわけではありませんがすべてのスケールが桁違いで時間の流れもゆっくりであるのが、人々の心の持ち様を大きくさせているのでしょうか。生き急いでいる姿がなく、寛大かつ鷹揚さを兼ね備えた町の性格が身に沁みました。
2週間はあっという間に過ぎ去りました。かなりタイトなスケジュールの中過ごしましたが、自分を見つめ直す有意義なそして貴重な時間になりました。このゼミナールで出会えた16人のメンバーが本当に大好きです。そして研修に携わっていただいたすべての方へ感謝申し上げます。
来年受講を希望される方へ少しでも役に立つ体験記になっていれば幸いです。