12月17日<ガソリンスタンドで給油後、財布がないのに気づく、さて、どうする?>

 小銭を用意せずにバスに乗り込む輩がいる、財布を忘れて買い物にでかける輩がいる。私には絶対理解できないタイプの人々だ。その理解不可能なタイプの人間が、かれこれ20年近く、私の身近にいる。

 仮にその人をAさんとしよう。Aさんは、旦那さんの仕事の関係で英国に滞在している。あるとき、Aさんは、ガソリンスタンドへ行った。そこで給油後、財布がないのに気づいた。一緒にいた子供は呆れるやら、不安になるやらだったそうだ。一瞬、Aさんは子供を置いて(人質にして)、家まで財布をとりに行けばいいと思ったらしいが、ガソリンスタンドのレジの人に事情を話すと、車のナンバーとガソリン代を書き込む用紙をわたされ、後で払ってもらえばいいといわれた。

 そのときのやりとりによると、そのようなことはここでは(英国をさすのか、ギルフォード、この地区をさすのかは不明)珍しくなく、かつ直ぐに支払いに来る人は珍しいくらいで、中には払いに来ない人もいるとか。

 ちなみに、Aさんは、すぐに家に帰り、財布をもってガソリンスタンドにもどり、支払い後に金額等を書き込んだ紙を破り捨てることで一連の騒動は終わったとか。英国で同じようなポカをやりそうな方は参考にしてください。

12月18日

<レジ係に課せられた厳密なルール>

 明日から旅に出る。帰ってきてたくさんの買い物をするのが嫌なので、事前に買いものに出向く。この時期、学校が休みになったこともあり、レジに10代のアルバイトが多く配置されている。

 私たちの買い物の3分の1は酒類が占めていた。それを見た途端、レジ係の彼女は「私は未成年なので酒の精算はできないことになっている」といい、他の従業員を呼び、酒類の精算(スキャンでバーコードを読みとるだけ)を代行してもらったのだ。

 未成年に酒を売らないルールの遵守が欧米で店側の対応として根付いていることは周知していたが、そのルールが働き手にも適用されているとは知らなかった。作業を見ていると、酒に触れることすら禁止されている素振りだった。

<夕方から雪が降りはじめ、一面の銀世界へ>

 夕方から雨が雪に変わりはじめた。そして、短い時間に、周りを銀世界に変えてしまった。夜の8時過ぎから、子供たちは外に出て、雪投げや、雪だるまをつくりだした。ギルフォードの雪は7、8年ぶりらしい。

 

12月19日〜23日:バーミンガム、マンチェスターへの旅:走行距離600マイル

<オックスフォード周辺は雪化粧で美しい景色をみせてくれた>

 夜半に雪は止んだ。今日から旅に出るので、道路の状態が気になっている。歩道は滑りやすい状態だが、道路は車が普通に走っている。朝早く出発の予定を3時間ほど延ばして、10時過ぎに出発。

 ロンドン周辺の雪は少ないが、オックスフォード周辺は見渡す限りの雪化粧で美しい。今日ばかりは、時速60マイル前後の遅いスピードで多くの車が走っている。

<バーミンガムの都心開発>

 今回の旅行の目的の1つは、バーミンガムの都市再開発をみること。特にInternational Convention Centreは莫大な投資額、180百万ポンド(300億円以上:1991年完成)をかけてつくられたもので、是非みてみたいと前から思ってた。ちなみに、ロンドンのMillenium Conference Centreの投資額は35百万ポンド(1997年)、エジンバラの International Conference Centreは38百万ポンド(1995年)であり、バーミンガムの投資額の約5分の1程度で済んでいる。

 英国は知られているように、運河が縦横に走っている。バーミンガムは都心の運河を残す形で都心再開発を進め、その核施設にコンファランスセンターを整備した。都心のやや西にコンファランスセンター、運河が一体となった地区があり、市庁および公園を挟んで、東に商業地区が配置されている。

 都心再開発のモデルケースとしてよく取り上げられる理由が了解された。私は福岡の中州地区ではなく、小樽を思い浮かべた。

<バーミンガムの都心交通改革は既に1943年に着手された>

 日本における都心交通混雑解決の策は、道路の拡張や駐車場の増設ではなく、一方通行道路の導入だと私は確信している。都市問題を論じる文章や場で常に主張している。もちろん、欧米の都市がいずれも一方通行を導入していることと、実際にそれらの都市で運転をして得た経験的な直感でしかない。実証的な解明の必要を感じるが、方法論的な展望がいまのところ描けていない。工学部の交通専門の先生にきいてみると、一方通行導入の効果は多分証明できるだろうといってくれるが、予算をとってこないと共同研究は実現しそうにない。

 バーミンガムミュージアムで開催中のバーミンガム・ビジョン(バーミンガムの過去から未来に向けて都市の変遷)をみていたら、都心の一方通行をベースとした循環路構想が議論されバーミンガムに導入されたのは、1940年代のはじめだとあった。既に60年前というべきか、高々60年前というべきか。

<一泊75ポンド、これまでで一番高いB&Bに泊まる>

 3年前に比べ、B&Bの値段が2、3割高くなっていることはサリー便り10月編に書いた通り。それで我々も慣れてしまったせいでもないが、バーミンガムの東部に位置するB&Bは75ポンド、過去最高の宿泊代だ。電話で問い合わせたときは90ポンド(一部屋45ポンド)といわれた高級B&Bだ(こちらが返事を躊躇したらFAXで値引きをいってきた)。

 確かに、大きな農家の、静かな雰囲気の綺麗なB&Bだった。ただ、価格はそのためではないようだ。というのは、近くにNEC(National Exsivision Centre)があって、ビジネスユースが多く、45ポンドでも払ってくれるお客さんが多いからだ。実際、家族客はほとんどいないとか。

 ちなみに、多くのB&Bでは、大人が20数ポンド、子供(18才以下の場合もあれば16才以下の場合もある)は半額かタダというのが多い。

<寒さで車のドアキーが動かない>

 20日は快晴で気温も随分と下がったようだ。車の窓ガラスについた氷をとろうと思い、とにかくエンジンをスタートさせようとドアの鍵穴にキーを差し込み回すが、回らない。鍵穴の部分が凍っているのだ。あたふたしていたら、B&Bのご主人がやってきて、お湯を鍵穴の部分にかけてくれた。鍵はまわりドアもひらいた。しばらく、雪国とは縁がない生活をしていたので、こういうときの対応措置をすっかり忘れていた。

<ちょっと予想と違ったマンチェスターの雰囲気>

 マンチェスターはコンパクトシティだと承知していたつもりだが、バーミンガムやグラスゴーに比べ、都心の人気(ひとけ)が少ない様子にちょっと驚いた。都心の、バスと路面電車のターミナルとして機能する空間の雰囲気は、ウイーンやブタペストに似ている。

 マンチェスターも運河開発が都心再開発の柱の1つになっているが、バーミンガムよりも都心から離れている。再開発コンセプトが、ビジネスパークと住宅を中心としたものである点も違う。

 今年、ミュージアム大賞を受賞したマンチェスター産業ミュージアムは運河再開発地に隣接する。紡績機械と蒸気エンジンの作動にしばし見とれる。

<マンチェスターの巨大集客施設>

 マンチェスターユナイテッドは英国で、そして日本でも一番人気のサッカーチームだと聞く。そのスタジアムを22日の朝一番で見に行く。確かに巨大なスタジアムで、機会があれば是非観戦をしたいと思う。

 次に出向いたのは、マンチェスターの南西、環状線沿いに位置する巨大SC、Trafford Centre。ロンドンの東部にあるBluewaterSCよりも規模が大きく、いままで英国で見た中では最大規模のSCだ。駐車場スペースは1万台を越す。とはいっても、SCの建物コンセプトや店揃え・MDコンセプトは一緒で、地域差がないところが英国らしい。

<カードのサインが漢字だと、人間味のある会話か不快な会話に出会える>

 私はクレジットカードのサインを漢字にしている。サリー便りでも度々書いたが、漢字のサインに驚く店の人にこれまで5、6人会った。それがマンチェスターでは、続けざま3名の方が反応してくれた。うち二人はこんな文字のサインははじめてとの驚きを、いい感じで表明してくれた。

 もう一人のガソリンスタンドの女性は、そんなわけのわからないサインでは困るといった表情と何かをいって(マンチェスター訛りだったようで私には聞き取れなかった)、マネージャーを呼んだ。結局、アクセプトされたのだが、後味の悪いやりとりだった。

<文化の非対称性>

 漢字をみたことがない人が本当にいる。漢字の一件をはじめ、海外の様々のことを吸収する国とそうでない国との間の文化の非対称性を、ときおり感じる。私たちは、箸も使えばフォーク、ナイフも使う。日本語以外の外国語を話したり読んだりする。異国の文化に対し、とりあえずにしろ、表面的にしろ、拒否反応を示さない日本人が多い。それに対し、英国では、異文化とのファーストコンタクト時に、非寛容な人たちに多く出会う。

 もちろん、この一件はレジ係が自分の職務を忠実に果たしている証拠と言えなくもない。自分が読めない以上、それがサインかどうか確認できないという理屈だ。だが、こちらの人が書くサインが店の人に正確に読めているかは怪しい。少なくとも、カードの裏のサインと照らし合わせて、似ていない、違うというならわかるが(10月にヨークにいったとき、そのように確認を受けたことがある)。

 以上のことと矛盾するが、では本当に日本が異文化に対して寛容かというと、否といわざるをえない。最初は寛容でも、決して受容に至らない構造が厳然として日本にある。難しい問題であり、これ以上書き続けるのは辞めよう。

 こういうことがあると、カードを使うのが億劫になる。まあ、10のうち1回にも満たない頻度でしか起こらないトラブルだが。

<英国の支配の歴史をあらためて思う>

 23日はチェスターのB&B泊。マンチェスターからチェスターに向かう途中から、BBCラジオのウエールズ語局が入るようになった。聞けば聞くほど、英語ではない。私にはフランス語に近い言葉に聞こえる。言語学的にみてもゲール語は英語とは全く異なる言語だという。

 放送を聞きながら、スコットランド、ウエールズ、アイルランドという言葉、文化が異なる地域をイングランドが支配し、英語という言語を押しつけた歴史を、子供達に説明する。

<パブでお隣どうしになったお年寄りのカップル>

 B&B利用者にとってパブは不可欠の観光インフラ。大体は勝手に探すが、今回はB&Bのご主人にいいところを教えていただき、予約までしていただいた。なんと、8マイルほど離れている場所にあるとか(こちらの感覚だと8マイルは’近い’距離になる)。途中、交通標識にウエールズ語らしきものが混じってきたのでパブで確認すると、途中からウエールズに入ったらしい。

 隣に居合わせた70歳過ぎの老カップルは、結婚をしていないが一緒に住んでいるとか。ともに、連れ合いを無くされたので、という。

 家内の祖母も、70歳近くになってボーイフレンドができたことを思い出す。親子といえども個人の人生に口を出さないという価値観があるから可能な、第二、第三の人生の選択(もちろん、ここにいう個人主義とは、気持ちや感情のことではなく、口や態度に出るレベルの話。妻の話だと、つまり祖母の子供である、妻の父は心の中では賛成できなかったらしい。が、それは表だって口や態度に示されなかった)。今日は彼女の誕生日で、子供やお孫さんから送られたシャンペンを私たちもご馳走になる。

12月25日<本当にバス、電車が動いていない>

 クリスマスと26日はバスも電車も動かないときいていたが、本当に動いていない。日本で正月にバスや電車が動かない時代があったのか?どなたか知っている方がいらっしゃったら教えて下さい。

 

12月26日<ボクシングデイ・パーティ>

 今日はサリー大の留学生とロンドン大学留学中のK君を呼んで、昼の12時半頃から自宅でパーティをした。お隣さんを呼んだりしたが、そのとき、ちょうど私はK君が買ってきてくれた日本酒を飲み過ぎて沈没中。結局、夜中の2時半過ぎまでパーティは続いた。子供達は彼らが来ると楽しいので大喜び。私も近年にない、久しぶりに味わう「なごやか」な時間を過ごす。

12月27日<当然のようにロンドンマラソンの機会を逃す>

 こちらにきて、ロンドンマラソンに参加しようと思いつつ、具体的な行動は起こしてなかった、いつものように。「なんとかなるさ」主義で人生をわたれると思っている自分の甘さに、ときおり嫌になることがある。今回もそうだ。

 最近、近所に住む丈一の友人、サイモンのお父さんが、ロンドンマラソンの選にもれらたとの噂を聞いた。それで慌ててHPをみたら、申し込みは10月に終わったとか。いったい俺は何をやっていたのだと思うが、チャリティの可能性があると、ほとんど根拠もなく、ほぼ消えた可能性を夢見る。ああ、俺は本当に根っからの甘い日本人だと、こういうとき痛感する。

 

12月29日<ロンドンは年末バーゲンで大混雑>

 今日はロンドンへ出かける。目的はショッピング。私はM&Sで前から目を付けていたイタリアンスーツを150ポンドで買う(先週まで199ポンドの値札がついていた)。ロンドンの中心街は買い物客でごったがえし、バスとタクシーしか通れないオックスフォード通りはバスが数珠繋ぎの状態。ここでがんばれば、安い買い物ができると思いつつも、人混みに疲れてショッピングの意欲は早い段階で萎えてしまった。

 今年は暖冬のせいもあり小売販売が芳しくなく、ニューイヤーバーゲンを前倒しで実施する小売店が多い。恒例の約束事とはいえ、数日までついていた値札が2割、3割、半額割引きになる・・・・・・そのことにそもそも、日本でもバーゲンなるものに全く縁がない生活をしてきた私と家内には違和感がある。買わずに我慢した分、安くなると考えれば合理的だが。

12月30日<ジョージ・ハリスン刺される、その事件で、マンションという英語が英国で使えないことを知る>

 夜、ジョージ・ハリスンが自宅で刺されたとのニュースが流れる。奥さんがテーブルにあったスタンドで暴漢を殴ったために大きな傷は負わなかったらしいが、それがなければ、どうなっていたかわからなかったらしい。

 ジョージ・ハリスンが住むマンション・・・・というアナウンスでテレビをみると大邸宅(まさに、お城のような)。あらためて辞書(こちらで購入したOxfordの英語辞書)をひくと、mansionで一番先に出てくるのは「 large grand house」。日本でどういう家に住んでいるのかと幸いにも聞かれたことが未だないが、マンションとはいえないことを知った。

12月31日

<クリスマスから年明けまでマスコミは冬眠期に入る>

 新聞がクリスマス前後から薄くなる。私よりも新聞を購入する機会が多く、店頭をよくみている妻の観察だと、厚さで相変わらずがんばっているのはサンだけらしい(サリー大経済学部博士課程のN君の話だと、院生の研究室にサンが置いてあるのをみた教授の驚きと落胆ぶりはすごかったとか)。中の記事も何となく気合いが入っていない感じで、余り読む気にならない。この期間、多くの国民が休みや中休み状態に入るので、経済・社会全体が動いていないので、書くことがないといえなくもない。もちろん、そうでないことは、言うまでもないが。

 テレビもやたらと子供向け番組と映画放送が多くなる(日本もそうだが、日本の比ではない)。もっとも顕著なのがBBCのニュース。朝7時からのニュース(通常は9時までの2時間)は24日に10分間に短縮、25日から1月3日まで消えてしまう。昼、夕方、夜のニュースも大幅短縮か消えてしまう。

 日頃、英国が変わるべきことを主張している新聞のコラムニストやテレビの硬派の司会者達も、自分の権利を行使しているのか、社会の慣行をこういうときだけは遵守するのか、全く見かけない。いざとなったら、正月も家族の祝い事も関係なく仕事を優先することを厭わない価値観を教えられてきた世代に私が属すから、余計に違和感を感じるのか。

<ミレニアウムイブは中学校の体育館のディスコパーティで迎える>

 お隣さんの誘いで、中学校の体育館で開かれるディスコパーティに8時過ぎに出向く。大人は一人5ポンド、子供はただ、飲み物は持参。体育館の机と椅子を周辺に配置しただけの会場。ステージには、レコードまでかけられるフルセットの機材とオペレーターが配備(18日に小学校で行われたディスコパーティも同じだった)。

 会場では、既に子供達が走り回っている。服がよごれようが、すり切れそうになろうが、親は全く自由に子供を遊ばせている。中には、足をもって引きづられるのを喜ぶ子供と親の姿もみかける。日本でいつだったか、体育館か何かで靴下が汚れるから靴下を脱いで、お互いその理不尽さ(足が汚れないために靴下をはいているはずなのに、逆の発想をする)に苦笑いしたことを、なぜか思い出した。

 踊る大人は、最初は少ない。とはいえ、酒が入るに従い踊り始める大人も増えだし、私も久しぶりにディスコダンスらしき踊りを披露する。

 隣のテーブルには両親と、10代中頃か後半の息子、娘がいる。母と娘は乗りに乗って踊るが、父親と息子は誘われても踊ろうとしない。安心する。こういうとき、踊らないのは日本人のお父さんだけではないのだと。それでもお父さんの方は、少しは踊りに加わるようになった。断固として拒否しているのは息子だけ。

 その息子とトイレで2回ほど遭遇したが、様子がおかしい。そのうち、息子も踊りに加わり、やがてノリノリで踊るようになった。何か変だと思ったら、ビールを飲ませられていたようだ。両親が強硬手段を使ったのだ。こういう場に、日本で言えば中学生、高校生になっても両親と来るくらいだから仲がいい家族なのだろう。

 ほほえましくも、おかしな、隣のテーブルの家族のやり取りをみるうちに、カウントダウン。笛を鳴らしたりクラッカーを鳴らす中、年とミレニアウムがかわる。お互い、見知らぬ者同士がキスを・・・・・と身構えたが、そういうことにはならず、安心する。こういうところには、日本との親近感を感じる。

<学校の多目的利用>

 日本でもコミュニティ施設としての学校の一般開放が実現し始めたが、その遅い展開やハード先行の思想は変わらない。学校の地域開放が進められるとして、その多目的利用を可能にする建築構造がまず考えられる。つまり、多目的利用が可能な学校を新規につくることが優先される。先進事例も、その観点から、集められる。

 しかし、こちらの様子を見ていると、学校の多目的利用やコミュニティ施設としての開放が、そんな難しいことやお金のかかることではないことがわかる。ちなみに、今日のディスコパーティは個人が個人の責任で開催したもので、学校関係者の関与は全くない。

<ロンドンのミレニアムイブの惨状>

 違った角度から英国を見ようというサリー便りのコンセプトに照らすとき、ロンドンのミレニアウムイブの惨状を1999年の最後の記録として示すべきだろう(その後得た情報をもとに)。日本で見るロンドンのミレニアムイブの様子はどうだったのだろうか?映像の美しさとは逆に、集った人々にとっては最悪のイブになったようだ。

 前出のサイモン一家もロンドンに3時過ぎからでかけた。正月にサイモンに会ったので聞いたら何も応えない。妻が2日にサイモンの母親から聞いたら、とにかく人が多すぎて大変だった。駅についてもほとんど動けない状態。特に帰りの駅では、階段を1歩進むのに30分もかかるくらいの混み具合で、家族がはぐれるなどして怖かったとか。

 間接的に聞いた留学生の話だと、とにかく人が多すぎてどうしようもない状態なのに、警察は全く居ないし、駅では鉄道関係者も誰一人みかけない。

 新聞やニュースによると、ミレニアムドームのチケットを持っていながら駅で全く身動きがとれず、入れなかった人もいるとか。また、トイレがまったく整備されていないので、女性がしゃがんで用を足すシーンも珍しくなかったらしい。

 英国が、集まった人をマネジメントする気もノウハウもない国であることは薄々感じていたが、一連の惨状を見聞きするほどに、やはりと確信する。人口密度も低く、時間的な余裕がある国だからといってしまえば、それまでだし、フランスやスペインと違い、警察官の姿や関与が少ないお国柄のコインの裏面だと解釈できないこともない。テレビでは、英国人は列をつくるのが好きな国民で待つのに慣れているので少々のことは大丈夫と思っていたとの、管理サイドのコメントが紹介されていた。

 日本人留学生Dくんのコメントを紹介すると、「この国は何の展望も用意もなく、ことを進める国ですから」だそうだ。その点は日本と似ているが、集客をリスク回避も含めマネジメントする体制や姿勢では、日本と英国は異なる。

 所詮、そういうリスクがある場所へ出向く個人が責任を取るべき問題と考えられているのかは是非、確認してみたい。

 その点でも、ニューヨークはどうだったか知りたい。例年の事情も含め、知っていらっしゃる方は教えてください。